たゆたう暮らし

自分はとても関心があるけれど、世の中的にはそうでもないような事をここに書き記す。

【映画の感想】レヴェナント:蘇えりし者

 復讐の物語なのだけど、復讐がテーマではない映画。

 というのが観終わって少し経って、思い返してみての感想。 

 

 ※ネタバレします。(というか個人の勝手な解釈を垂れ流します。)

 

 確かに映画の宣伝通り、目の前で息子を殺された父親が、苦難の末に相手を追い詰めるというストーリーではあるのだけど。

  少なくとも、勧善懲悪的な分かりやすい話では全くないし。

 かといって、「復讐からは何も得られない」みたいな近年ハリウッド映画にありがちなメッセージを持った映画でもありません。

 

 この映画は実話をもとにしたフィクションだそうです。ウィキペディアを調べてみたら、息子がいたとか殺されたとかいう記述はないので、ここがフィクション部分でしょうか。

 でも劇中でいちばん信じがたい、巨大な熊と格闘する場面は実話のようです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/e/e3/Hugh_Glass_Illustration.jpeg

Hugh Glass - Wikipedia, the free encyclopedia

 

  実際映画の中でも、熊に襲われる場面はめちゃくちゃインパクトが強いけど、それに比べて息子の復讐とか親子愛とかの要素は正直あんまり印象に残らない。

 この映画で最後まで印象に残るのは、主人公(レオナルド・ディカプリオ)が地面を這って、死に物狂いで生き延びようとする姿。そして敵役(トム・ハーディ)と地面に転がって、殺し合う姿。

 

 なので、宣伝で言ってるような、「強い父の愛」とか「復讐の先に何があるのか…」なんてキャッチフレーズは少しこの映画の内容と違う感じがします。 

 

 時代背景はおそらく、映画「ダンス・ウィズ・ウルブズ」と近い頃でしょうか。「ダンス・ウィズ・ウルブズ」では文明を捨てて自然に回帰する姿が描かれましたが、「レヴェナント」では、自然が敵であるってことを、全編を通して強烈に体感させてくれます。

 

 つまりこの映画では、人間の生に対する執着や人への憎しみ、それらを無慈悲に飲み込む自然を描くことが主眼だと思うのです。

 

 「神」という存在も映画の所々にチラホラ見え隠れします。文明人の考える「神」だとか「道義」だとか「正義」とか。そんなものは自然の中で生き延びようとする時に、何か意味があるのだろうか。

 

 などなど。

 

 映画のラストシーンはレオナルド・ディカプリオの演技に全て委ねられてるので、人それぞれに受け取り方があるでしょう。

 個人的には、主人公は、ネイティブ・アメリカンの考える「神」イコール「自然」のような悟りの境地に達したのだと受け取りました。