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たゆたう暮らし

自分はとても関心があるけれど、世の中的にはそうでもないような事をここに書き記す。

【ドラえもん】読後に深い余韻が残る、ドラえもんの名編

 小学生の頃、私はドラえもん博士と呼ばれていました。あまりにドラえもんに詳しかったため、クラスメートのみならず、担任の先生からも「大きなったら本物のドラえもんを発明してね」なんて、寄せ書きに書かれたくらいです。

 そんなわけで、今でも思い入れのあるドラえもんの、読後に「特に」深い余韻が残る作品を3つチョイスしてみました。

 ドラえもんって、基本はナンセンスな展開を楽しむマンガです。でも70年代の終わりから80年代初めの頃、エスパー魔美のような青春ものにも近い雰囲気を感じるドラえもんのエピソードがいくつか描かれました。

 そういった作品は「泣ける」といった感情ではなく、ラストシーンを読み終わった時に、遠い目をして物思いにふけりたくなるような余韻を残してくれます。

 

タンポポ空を行く(第18巻)1980年発売

 のび太くんが、部屋に飛び込んできたタンポポを育てるという、ただそれだけのお話。

 登場する道具は「ファンタグラス」。植物も動物も、童話の世界のように会話ができるようになる道具です。

 タンポポを育てて、やがて花が咲いて、綿毛の子供が広い世界に旅立っていく。そしていつも苦手なことから逃げていたのび太くんの気持ちも少し変化します。

 回想シーンに出てくる山奥の駅の絵は、ドラえもんではあまり見られないとてもきれいな風景画で、そういう点でも心に残る作品になってます。 

精霊よびだしうでわ(第21巻)1981年発売

 腕輪で呼び出した雪の精とのび太くんの、たった一日の交流の物語。

 「精霊よびだしうでわ」は近くにあるものを精霊化して呼び出すことが出来る道具。火の気があれば「火の精」を、雪が降っていれば「雪の精」を呼び出すことが出来ます。

 別れの後にやってくる春の訪れ。春が来る直前の心が弾む気持ちと一抹の寂しさ。そういったいろいろな感情が、一コマのうちに表現されていて、「ムーミン谷の冬」の最終章なんかにも近い読後感です。

のび太の宇宙開拓史(大長編ドラえもん2)1984年発売

  大長編ドラえもんの第二作にして個人的最高峰。藤子・F・不二雄のSF的想像力が詰め込まれた名編です。

 悪者に追われワープ中に故障した遠い異星の宇宙船の扉と、のび太くんの部屋の畳の裏が精神感応を通じてつながります。それはどこでもドアでも届かない遠い星の宇宙船でした。

 扉と畳がつながっているので、通り抜けると縦方向と横方向が違うこと。ふたつの月の潮力でと季節の変わり目に大洪水が起こり、肥沃な土壌を運んでくること、などなどのSFチックな設定がまず魅力的です。

 そしてこの後の大長編では定番となる、冒険で出会った仲間との友情と別れが描かれています。この別れのシーンが大長編シリーズ中屈指の出来栄えで、ラストの1ページを読み終わった時に深い余韻を感じさせてくれるのです。

 

おわりに

  あとは「のび太の結婚前夜」なんかも1982年発売のコミックに収録されている同時期の作品ですね。後半の、子供の誕生を宇宙といった視野で語るシーンなんかは、いかにも藤子・F・不二雄って感じがします。でもラストシーンはギャグっぽくなるので、今回のチョイスには入れませんでした。

 大・大・名作の「さようなら、ドラえもん」は少し古めで1974年発売のコミックに収録されてます。

 これはこれだけで語れそうなので、また別の機会に。