たゆたう暮らし

自分はとても関心があるけれど、世の中的にはそうでもないような事をここに書き記す。

映画の夏は、懐かしくて少し切ない

今週のお題「映画の夏」

 

 「読書の秋」とは聞くけれど「映画の夏」というのは初めて聞く言葉なので、少し悩んで「映画の(中の)夏」だと勝手に解釈。

 そもそも夏という季節は暑いばかりでそれほど好きではないのだけれど、映画の中に切り取られている夏の雰囲気はわりと好きだったりする。

 例えば夏休み公開の「男はつらいよ」で、いつもラストの方に映っていた夏の入道雲とか。昭和の夏の景色のような、ノスタルジーを感じる夏の雰囲気が多分好きなんだと思う。

 

 2003年公開の映画で、とても好きな感じの夏の空気が描かれている、まさにお題にぴったりな、ザ・お盆・ムービーがあります。

ホテル・ハイビスカス

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 舞台は80年代の沖縄。主人公は小学3年生の女の子。

 今思えばおかっぱでわんぱくな感じがうちの姪っ子に似てなくもない気がするが、公開当時は姪っ子なんていなかったので、ただただ超絶にかわいい女の子だなあ、と思って見てました。

 女の子の名前は美恵子。とにかくおてんばでガキ大将キャラ。

 美恵子の家は、一泊3000円のボロホテル(泊まれる部屋は一つしかない)。家族はのんびりした父ちゃん(ビリヤードがうまい)と、バーで働く明るい母ちゃん(話題のシン・ゴジラではコワモテだった余貴美子)、くわえタバコのばあちゃん(ナビィ)、にぃにぃとねぇねぇ。にぃにぃとねぇねぇは、母ちゃんとそれぞれ違うアメリカ人とのハーフ。それから、行き倒れの宿泊客が1名。

 そんな「インターナソナル 」な、仲良し家族のゆるゆるした毎日を描いた映画です。

 お話は美恵子を中心にチャプター仕立てになっていて、にぃにぃの父親(基地の兵隊)に会いに行ったり、キジムナー(沖縄に生息する妖怪)を探したり、 一人でバスに乗って遠出したり、お盆に不思議な体験をしたり。 

 家族はどこまでもラブ&ピース。でも少しまじめな平和への想いなんかもあったりします。

 

 草むらを吹き抜ける風の音。遠くまで続くパイナップル畑と、青空をゆっくり動く白い雲。人気のない夏の薄暮の路地。どこからか聞こえてくる三線の音色。

 静かな沖縄の夏の雰囲気が、画面のそこかしこから感じられる、良い映画だと思います。