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たゆたう暮らし

自分はとても関心があるけれど、世の中的にはそうでもないような事をここに書き記す。

映画の感想「リンダ リンダ リンダ」2005年公開

映画

 山下敦弘監督作品。女子高生四人が文化祭に向けてバンドを組んで、ブルーハーツを歌うというお話。

 バンドで演奏する楽しさというのものは、あらゆるジャンルの音楽で共通する部分があるだろうけど、ロックを演奏することでしか得られない特別な感覚を、この映画はうまく捉えていると思う。

 

 バンドメンバーは、もともと軽音部だった3人と、行きがかりでボーカルとして仲間入りした韓国人留学生の女の子。

 韓国人の女の子(ペ・ドゥナ)の演技と存在感が出色なのだけど、他のメンバー(香椎由宇前田亜季関根史織)もみんなそれぞれ青春してる感じがすごく微笑ましい。

 手を怪我して文化祭に参加できなくなった軽音部メンバーとして、湯川潮音が出演してるのも見どころで、彼女が歌うシーンは誰もがハッとすると思う。

 女子高生がはっぴいえんどなんて歌うのかどうかはともかくとして。

風よ吹かないで

風よ吹かないで

 遠い昔のことだけど、自分が初めて人前でギターを抱えてバンド演奏した時は、もう緊張しかなかった。比喩的にとかではなくて、本当に手が震えた。

 確か出番は1,2曲だったと思うけど、前日も眠れず、布団の上でずっと練習したのも虚しく、結局イントロでも曲の途中でもエンディングでも、いたるところでミスってしまった。

 人が人生で経験する緊張というのは、一般的にどの程度がMaxなのか分からないけれど、自分にとってあれ以上の緊張を経験することは、もう一生ない気がする。

 

 それはその時は散々な経験だったのだけど、何事にも冷めていた自分が、そんな思いをしてもなおギターだけは続けたかったらしく、今ではギター歴四半世紀以上となってしまった。

 もちろん純アマチュアなので、特に技術やセンスがあるわけではないのだけど、これだけ続けていると、時には見に来た人や録音を聴いた人に褒められたりもする。

 続けるというのは本当に力になるのだなあ、と思う。

 

 さておき、映画の話に戻って。 

 大人でも子供でも日常の中で何らかのストレスを感じて生活しているわけで、それは新しい環境での疎外感だったり、家事なんかの雑事だったり、友達とのすれ違いだったり、どうしても切り出せない片想いだったり。

 でもそういった日常のもやもやを、大音量のロック・ミュージックは一瞬で吹き飛ばしてしまう。

 クランチギターを鳴らして何もかも吹き飛ばしてしまう、その一瞬の感覚がロックンロールの根っこのエナジーだと思うし、この映画はそれをとてもうまく表現してると思う。

リンダリンダリンダ [DVD]

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 山下敦弘監督の最新作は、北杜夫の児童文学「ぼくのおじさん」のようで、これは相当楽しみ。出来ればおじさん目線の映画でありますように。