読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

たゆたう暮らし

自分はとても関心があるけれど、世の中的にはそうでもないような事をここに書き記す。

映画の感想「ジムノペディに乱れる」ポルノを大スクリーンで観るという、古くて新しい体験

 「世界の中心で、愛をさけぶ「GO」でお馴染みの行定勲監督作品、板尾創路主演の「ジムノペディに乱れる」を観てきました。

 この作品は日活ロマンポルノ45周年記念の企画ということで、28年ぶりに制作された日活ロマンポルノの最新作です。現代の映画作家がポルノを撮ったらどのような映画が出来るのか?そんなテーマで作られた5作品の第1弾です。

 日活ロマンポルノとは、詳しい説明はウィキペディアを参照してもらうとして、簡単に言えば、70〜80年代の頃に街の映画館で上映してた日活オリジナルの成人映画です。少ない制作費や製作日数、10分に一度は濡れ場を入れることなどの縛りがあったものの、その他は自由な表現が許されていたようで、日活ロマンポルノから頭角を現した監督も多いとのこと。

日活ロマンポルノ - Wikipedia

 

 今回のリブート企画の5作品も全て以下のような条件のもと制作されたようです。

  • 縮尺80分前後
  • 撮影期間は1週間
  • 10分に1回の濡れ場
  • 完全オリジナル作品
  • 制作費は全作品一律
  • ロマンポルノ初監督

eiga.com

 ロマンポルノ全盛期、私は小中学生でした。記憶では普通に街にある映画館でロマンポルノを上映していて、かなりエロチックなポスターが通りに面して貼られてた気がします。そんな映画館の前を通る時は、いつもポスターから目をそらして歩いてたもんです。

 でもそんな私も、今ではチケット売り場の女性の目をまっすぐ見ながらポルノ映画の切符を買える立派な大人になりました!

  劇場に入ってみると、私が観た回の客層はおじいちゃんが多かった印象。テレビCMなんてやってないだろうに、どこで情報を仕入れたのだろう。アート映画をこよなく愛するご老人か、昔のロマンポルノを懐かしむ懐古派か、はたまた現役エロジジイか。

 しかしエロい映画を大スクリーンで大勢で観るというのは自分にとっては新しい体験だ。「いやいや、私はロマンポルノの芸術性に興味がありまして。」という表向きの顔をしつつ、観客みんな女性の裸が見たいという下心を共有してるのだ。

 

 映画ポスターのキャッチコピーは「おとなになっても、男は愛の未熟者」「男と女の永遠のテーマをエロティックに描く、漂白の一週間」

 主人公は映画監督。海外の映画賞を受賞した経験もある監督だけど、ヒット作はなく世間的にはほとんど無名。久しぶりにクランクインするも撮影は進まず、映画スタッフ、映画学校の生徒、新人女優と情事を重ねる一週間の物語。

 

 ここから先はネタバレ感想と濡れ場シーンの感想でエロ表現注意。

www.nikkatsu-romanporno.com

世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [DVD]

世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション [DVD]

 

 

 この映画は不器用なおっさんの愛についての物語なんだと思った。私自身が不器用なおっさんなので、観ていてすごく分かる部分がある。この主人公と違って全くモテないけど。

 多くの人は過去の経験から大体の見当をつけて人生に対処していくのだと思うけど、不器用な人っていちいち試してみないと合ってるかどうかが分からない。

 全てのことを1つ1つ試してみて上手くいかなくて、やっと理解するというか。

 この映画の主人公が正にそうだと思う。彼が情事に何を求めていたのかはラストで明らかにされるけど、そこに辿り着くまでいちいち周りの女性達を抱いて、自分の気持を試してみないと分からないのだ。

 でもそんなやり方では、分かった時には遅すぎてしまうこともある。不器用な人間にとって人生は、とても回り道で生きづらい。

 そしてそんな不器用で最低な男に対して、周囲の女性達はひたすら優しい。この無償で女性達が次々に体を与える展開は、リブート企画にふさわしいポルノの王道って感じがする。

 

 最後に、ポルノ映画の感想を述べるにあたって濡れ場の感想がないと片手落ちってもんだと思う。なのでいちばんお気に入りの美しいシーンをひとつ。

 芹那すみれ演じる映画学校の生徒が、彼氏に殴られて眼帯を付けている場面がある。眼帯女子の性的表現って、エヴァンゲリオンが最初だろうか。

 ともかく。眼帯をした彼女が主人公の前でワンピースを着たままパンツだけ脱ぐシーンがある。そしてベッドの上で足を開いて、スカートの中を見せる。

 そんな彼女を主人公はある「色」で表現する。

 その言葉に欲情して、身悶えしながら「入れて」と繰り返す彼女を前に、じっとスカートの中を見つめるだけの主人公。やがて彼女は見られていることだけで果ててしまう。

 これが個人的にいちばん良かったシーン。

 すごくいいですよね?

 

GO [DVD]

GO [DVD]