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たゆたう暮らし

自分はとても関心があるけれど、世の中的にはそうでもないような事をここに書き記す。

新譜の感想 "Blue & Lonesome" The Rolling Stones ストーンズのブルースは本物だった

音楽

 正直ストーンズがブルースのカバーアルバムを出すと言われても全然興味が沸かなかったので、リリース日がきても全くスルーしてた。

 彼らのいかにも「ザ・ロックミュージシャン」といった風情や立ち居振る舞いは最強にカッコいいとは思うけど、音楽的にはそれほど好きな曲もなかったし。

 でもこの新作を聴いてみたらもう再生リピートが止まらなくなってしまった。聴くと気持ちがハイになってまた聴き直す。昨日も今日も朝からずーっと繰り返しこのアルバムばっかり聴いている。

 ブルースなんて廃れてしまった今の世に、すごいブルースアルバムが爆誕したのだと思った。

「ブルー&ロンサム」ザ・ローリング・ストーンズ

⑧ Hate to See You Go

 近頃のブルース・ミュージシャンは、エモーショナルかつテクニカルなプレイスタイルを両立させている人の人気が高いと思う。今年のデレク・トラックスの新譜なんかも素晴らしかった。

 対してストーンズのアルバムにあるのはエモーションのみだけど、それが他の追随を許さない、圧倒的なものだったってことだと思う。

 超大御所ミュージシャンにありがちな、枯れてるなんて表現とはほど遠い、ミック・ジャガーの歌声やブルースハープも、キース・リチャーズロン・ウッドがアンプから出すギターの音も、チャーリー・ワッツのドラムも、みんなすごく荒々しい。

 あと荒々しいだけではなくて、聴いているとまるで演者の近くにいるような生々しさも感じてしまう。

 プロデューサーであるドン・ウォズの力量もあるのだろうけど、たった3日でオーバーダビングなしで収録して、こんなにも心を揺さぶる音を作れるなんて。

 

 全く何を今さらだけど、ストーンズってやっぱりすごかった。圧縮されたデジタル音源を通してでも歌い手や演者の生々しいエモーションを伝えることが出来るのだ。

 エリック・クラプトンがゲスト参加しているのは⑥と⑫。特に⑫はミック・ジャガーに煽られて、この人は自分のアルバムでは枯れきってしまってるけど、まだこんなに情熱的な演奏ができるじゃない。

 1stシングルの①"I'm Just Your Fool"は、女に狂った男が「もし他の男が出来たら、おまえをショットガンで撃つ」って歌。

 なんつう歌詞だ。

 

 ともかく年の瀬にいいアルバムを聴けてよかった。ブルーでロンサムなクリスマスはこれで乗り切ろう。

ブルー&ロンサム

ブルー&ロンサム