blog in a bottle

音楽、本、映画など

2020年発売のおすすめ洋楽クリスマスアルバム特集

 12月に入り、街角にクリスマスツリーがポチポチと立ち始めるこの時期。毎年、自分的に好みなクリスマス・アルバムがリリースされるのを楽しみにしているのだけど、今年はいまいち本命不在?というか知っているミュージシャンのリリースがあまりなかった感じです。それでも聴いてみたらなかなか良かったアルバムもあったりして、ここにいくつか集めてみました。

 

Tori Amos / Christmastide


Tori Amos – Better Angels (Lyric Video)

トーリ・エイモスの4曲入EP。いつものようにどことなく物悲しい響きをもつ全曲オリジナル。ジャケットがかっこいい。

 

Tori Kelly / A Tori Kelly Christmas


Tori Kelly - 25th

ミュージカルアニメ映画SINGで、恥ずかしがり屋の象の女の子役が有名なトリー・ケリーのクリスマス・アルバム。ヤングなマライア・キャリーといった趣。9曲目の"Let It Snow"はベビーフェイスとの50年代風デュエット。

 

Dolly Parton / A Holly Dolly Christmas


Dolly Parton - All I Want For Christmas is You (with Jimmy Fallon) (Official Music Video)

ジョリーンジョリーンでおなじみのドリー・パートン。古希を超えてなおキャピキャピと歌っていてかわいい。

 

Andrew Bird / HARK!


Andrew Bird - Night's Falling (Official Music Video)

不肖ながらアンドリュー・バードという人のことを知らなかったのだけど、今年の男性ミュージシャンのクリスマス・アルバムで、唯一良いと思ったのはこのアルバム 。内省的なクリスマスを過ごすにはもってこい。

 

The Bird And The Bee / Put up the Lights


You and I at Christmas Time

このバンドも全く情報は持っていないのだけど、1曲目がなんだか渋谷系みたいでとっても良かったのでピックアップ。

 

JoJo / December Baby


JoJo - Wishlist (feat. PJ Morton) [Official Video]

マルーン5のPJモートンとの共演が収録されたジョジョのクリスマス・アルバム。

 

Meghan Trainor / A Very Trainor Christmas


Meghan Trainor - Holidays (Official Music Video) ft. Earth, Wind & Fire

こちらはアース・ウインド&ファイアーと共演しているメーガン・トレイナーのクリスマス・アルバム。

 

Sabrina Claudio / Christmas Blues


Sabrina Claudio - Warm December (Official Music Video)

裸でクリスマスツリーの前でラッピングされている(!)過激なジャケットといい、セクシー系なビジュアルや吐息のような歌声も含めて、良いけどエロすぎて家では聴きづらい。

 

Poppy / A Very Poppy Christmas


Poppy - I Won't Be Home For Christmas

米国のカワイイ系ユーチューバー(という紹介で合っているかどうかも分からないけれど)、Poppyの4曲入EP。アイドルっぽい位置づけの女の子なのかな?

  

Blackmore's Night / Here We Come A-Caroling


Blackmore's Night - "It Came Upon A Midnight Clear" - Official Lyric Video

リッチー・ブラックモアのフォークユニット、ブラックモアズ・ナイトの4曲入EP。

 

Leslie Odom Jr. / The Christmas Album


Leslie Odom Jr. - It’s Beginning To Look A Lot Like Christmas (Visualizer)

 R&B系。オフィシャルビデオでもマスクしてるのが今年風ですね。

 

Carrie Underwood / My Gift


Carrie Underwood & John Legend - Hallelujah (Official Music Video)

まだハロウィンも終わっていない9月にリリースされた気の早いクリスマス・アルバム。よく知らない人ですが、ビデオからはかなりの大物感が漂ってます。

 

Goo Goo Dolls / It's Christmas All Over


Goo Goo Dolls - This is Christmas [Official Music Video]

それほど気に入っているわけではないのだけど、グー・グー・ドールズは好きなので、いちおうピックアップ。

 

August Burns Red / All I Want For Christmas Is You


August Burns Red - All I Want For Christmas Is You

メタルコアなんてジャンルは全く聴かないのだけど、このジャケットがあまりにもネタ的なので。

 

 他にも過去の作品を集めた企画盤なども含めると、もっといろいろ出ているのだけど、キリがないのでこれで終わりです。

 最後にアルバムではないけれど、シングルリリースされたリアム・ギャラガーのクリスマスソング。普通にいい曲でした。


Liam Gallagher - All You're Dreaming Of (Lyric Video)

 

 

tayukura.hatenablog.com

 

 

Oculus Questで映画館気分を味わうためのアプリ3選(+α)

 新型コロナの影響で、というほどでもないが、「Oculus Quest」を買った。

 「オキュラスクエスト」についての詳しい説明は省くが、いわゆるVRゴーグル、ヘッドマウントディスプレイと言われる類の機器だ。

 購入した理由の一つとしては、映画館が軒並み休業してしまった時に、これを使って自宅で映画館のような体験が出来ないだろうか?と思いついたこと。今回の記事ではこの観点からOculus Questを使用した時の自分なりの感想を書き記しておこうと思う。

 と言うのも、「Oculus Quest」関連をネットで検索するとヒットするのは提灯記事やアクセサリー製品のAmazonリンクばかりで、知りたいことがなかなか分からない場合が多いと感じたからだ。

 ただ実際に使ってみると改めて、没入感や装着感など、個々で感じ方が違う部分も大きそうなので、今回の記事もあくまで個人の感想であることをご了承いただければと思う。

 

1.自宅映画館としての使用

 実は我が家には液晶プロジェクターもあるのだけど、部屋と家具の影響で投影面積はせいぜい頑張っても80インチ程度。VRゴーグルを使えば、劇場と同じような感覚で映画を見ることができるのだろうか。

Netflix

 (ミラーリングが出来なかったため、スクリーンショットはなし。)

 ネットフリックスアプリを立ち上げると、映画館ではなく室内をイメージした仮想空間が現れる。目の前に大画面テレビが置いてあり、画面サイズとしてはいつも見ている液晶プロジェクターにより大きいので100インチ以上はあるだろう。テレビを近くから見てはいけないと叩き込まれている身からすると、不安になるくらいテレビとの距離が近い。

 背景を消して、画面を大きくしたり小さくしたりすることも出来るのだけど、背景がないとなぜか画面が大きい感じがしない。VRゴーグルで大画面を感じるためには、周囲の風景も大事なのかもしれない。

Amazonプライム・ビデオ

 ネットフリックスと違って、こちらの仮想空間は映画館。(やはりミラーリングが出来ないため、スクリーンショットはなし。)小さい映画館の、前の方の席で観ている感覚で、画面を最小にしても視界いっぱいになって、自分にはまだデカイ。スクリーンが近すぎて最初はちょっと酔ったけど、慣れればなんとか大丈夫そう。

・SKYBOX

f:id:mbook999:20200812121527j:plain

 使ってみていちばん映画館の雰囲気があったのが、この「SKYBOX」というアプリ。席も移動可能で見やすい席を選べるし、写真は薄暗くて分かりにくいけど、とても大きな劇場で、スクリーンに映る映画の明るさに合わせて、劇場内がほんのりと明るくなったり暗くなったり、とてもリアル。

 ただしSKYBOXで映画を見るためには、DRMなしの動画ファイルを用意する必要があるので、それなりのハードルがあるとは言える。

 ちなみに類似アプリで「Big Screen Beta」というのもあるが、映画館の雰囲気が気に入らなかったのとスクリーンの縦横比調整が出来なかったため、「SKYBOX」の方が値段が高いだけあって今のところ良いと思う。

 

 画質はいずれのアプリも同じで、十分綺麗だけど液晶プロジェクターを近くで見ているような、細かな網目が画面にかかっている感じがある。最初は気になったけど、しばらくすると慣れてきた気がする。小さく映っているものはドット絵みたいになっちゃってるけど。

 むしろネックなのは音で、Oculus Questの内蔵スピーカーから聞こえる音は、映画館の迫力ある音質には程遠く、ヘッドホンかイヤホンでもよいのだけれど、サラウンド感までは得られない。

 いろいろ試行錯誤してみた結果、個人的には映画を観る時はVRゴーグルのイヤホンジャックから外付けのスピーカーやサウンドバーなどにつなぐのが一番良いと思った。

 

  と、ここまで書いてなんだけど、自分は結局Oculus Questの重たさに屈してしまい、VRゴーグルで映画を見ることは諦めてしまった。ゲームなどではあまり気にならないのだけど、静かにじっと映画を見ていると、だんだん顔面や首への負担が気になってきて、30分もするともう限界って気分になってしまうので。

 

2.自宅にいながら旅行気分

 Oculus Questを購入したもう一つの理由は、自宅にいながら旅行気分が味わえるのではないか、なんて考えたこと。

 VRゴーグルでは360度パノラマ映像の中に自分をおくことが出来るので、世界中の知らない土地に立っているような感覚が得られるのではないだろうか?

・Wander


Wander | Oculus Quest, Oculus Go, + Gear VR

 「Wander」という、Googleストリートビューの中に入り込むことが出来るアプリがあり、Oculus Quest購入前からぜひこれを試してみたいと考えていた。

 結論から言ってしまうと身も蓋もないが、確かに全天のパノラマ映像が自分の周囲に広がるのだけど、結局それは360度写真を見ているというだけのことで、自分がそこにいるという感覚までは得られなかった。PCでストリートビューを見ているのとそんなに大きくは変わらない。

 写真の解像度の問題もあるだろうし、車から撮っているので視点の高さに違和感を感じたり、そういったことが現実感のじゃまをしている気がする。

・National Geographic Explore VR


National Geographic Explore | Oculus Quest

 これはマチュピチュ探索と南極探索の疑似体験が出来るアプリである。これも細かい内容は省くが、そこそこリアルな風景が広がってはいるものの、やはりCGの世界にいる感覚しか得られず、現実の場所にいるという錯覚までは得られなかった。ゲームとしてはなかなか面白いとは思ったけど。

YoutubeなどのVR映像

 これも「Wander」と同じく、360度ビデオを見回す以上の感覚は得られないのだけど、宇宙ステーションから地球を見下ろすような映像体験はやはりなかなか良いものだと思った。中には立体感のある現実の3D風景を体験できるビデオもあるけれど(アダルトVRも含み)、まだまだ数は少ない感じ。

 

 個人的な感想として、現状のVRゴーグルは、世界中の場所を訪れているような錯覚が得られるようなレベルではなかった。自分が期待しすぎていたところはあるけど、これについてはストリートビューのようなサービスが3D化するのを待たないといけないのかもしれない。

2019年発売のおすすめ洋楽クリスマスアルバム特集

 今年も街のあちらこちらでクリスマスツリーが点灯する時期になりました。今年発売のクリスマスアルバムの新作もそろそろ出揃った感があるので、個人的に好みな感じなアルバムを集めてみました。今年もホットなクリスマスアルバムが数多くリリースされています。

 

LOS LOBOS / LLEGÓ NAVIDAD

10月に先陣きって発売された、ロス・ロボスのラテン系クリスマス・アルバム。

 

THIS WARM DECEMBER, A BRUSHFIRE HOLIDAY, VOL. 3

ジャック・ジョンソンのレーベルのまったりサーフ系クリスマス・コンピ。オリジナル楽曲だけではなくスタンダードなクリスマスソングも良い感じ。

 

Keb' Mo' / MOONLIGHT, MISTLETOE & YOU

本年度のブルース泥臭い枠。

 

Dionne Warwick / & The Voices Of Christmas

R&B界の大ベテラン歌手、ディオンヌ・ワーウィックのクリスマス・アルバム。

 

The McCrary Sisters / A Very Mccrary Christmas

R&B、ゴスペル系クリスマス・アルバム。特に聴いたことのないグループだったのだけど、2曲目にアリソン・クラウスがゲストで参加していたのでピックアップ。

 

Robbie Williams / The Christmas Present

今年クリスマス・アルバムをリリースしたアーチストの中で一番のビッグスターはロビー・ウィリアムスでしょうか。Disc2の方が好み。

 

Jonathan Butler / Christmas Together

Winter Wonderland

Winter Wonderland

  • provided courtesy of iTunes

本年度のジャズ・ポップ系オシャレ枠。

 

Mariah Carey / Merry Christmas Deluxe Anniversary Edition

言わずと知れたアルバムの25周年アニバーサリーエディション。1994年のN.Y.セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂でのライブ音源が収録されており、ゴスペル風アレンジの"All I Want Fo Christmas  Is You"が聴けます。

 

Puss n Boots / Dear Santa

 

ノラ・ジョーンズのユニットのEP。トム・ペティの同名の曲ではなく、オリジナルのポップソングです。

 

Bryan Adams  / CHRISTMAS EP

全くクリスマスソングぽくはないが、曲タイトルのジョーとメリーがイエスの両親のジョセフとマリアのことだそう。ブライアン・アダムスの名作クルスマスソング「クリスマス・タイム」も収録されてます。

 

Molly Burch / The Molly Burch Christmas Album

こういうアンニュイ系クリスマス・アルバムはかなり好きです。

 

 その他、シカゴやアナ雪歌手のイディナ・メンゼルのアルバム、スティーブ・ペリーやロビー・ロバートソンのシングルなどなど、まだまだありますが、長くなったので割愛してこのあたりでおしまいにします。

 

tayukura.hatenablog.com

2018年発売のおすすめ洋楽クリスマスアルバム特集

 早いもので11月ももう半ば。街がクリスマス仕様にライトアップされ、ラジオからもちらほらクリスマスソングが流れる季節になりました。

 今年の洋楽界は、再発版を除いても30枚あまりのクリスマスアルバムがリリースされていて、全てはとても聴ききれないのだけど、中でも個人的に気に入ったものを集めてみました。

 ジャズ・クラシック・Jポップはアンテナを張ってなくて分からないので、セレクトに含まれませんがあしからず。

 

Eric Clapton / Happy Xmas

 2018年クリスマスシーズンの先陣を切って発売された、スーパー大御所エリック・クラプトンクリスマスアルバム。1994年のブルースアルバム「フロム・ザ・クレイドル」を彷彿とさせるギタートーンで始まり、クラプトン調ブルージーなバラードや、アコギのスライド、はては打ち込み系のインストまで、クラプトンの歌とギターをたっぷり堪能することができます。近年のオリジナルアルバムを凌駕する出来栄えの、クリスマスアルバムを超えたブルースの名盤ではないでしょうか。

ハッピー・クリスマス

ハッピー・クリスマス

 

 

② PJ Morton / Christmas with PJ Morton

 Maroon 5のキーボード奏者、PJモートンクリスマスアルバム。室内をオシャレな雰囲気で包みたい時にはもってこい。マライアのカバーは毎年いくつかあるけれど、今年のナンバーワンはこれ。

 

③ Mindi Abair & The Boneshakers / All I Got For Christmas Is the Blues

 女性サキソフォン奏者/ヴォーカリスト、ミンディのブルースクリスマスアルバム。直球ストレートなブイブイのブルースギターとサックスの熱量がとにかく高い。クリスマスなのにホット。

All I Got For Christmas Is The Blues

All I Got For Christmas Is The Blues

 

 

④ William Shatner / Shatner Claus

 2018年最大の、というか全てのクリスマスアルバムの中でもかなりどうかしている問題作。スタートレックのカーク艦長役であまりにも有名な、ウィリアム・シャトナークリスマスアルバムです。

 このアルバムでウィリアム・シャトナーは、クリスマスソングを歌うのではなく、曲に合わせて、歌詞を「朗読」しています。しかもその朗読のテンションがやたらと高い。ちょっと頭のネジがどこかに行っちゃったのかな?と思うくらいに。

 そしてそんなアルバムなのにゲストミュージシャンが無駄にすごい。トッド・ラングレン、ビリー・ギボンズ(ZZ TOP)、イギー・ポップなどなど。スーパーゲストの演奏や歌と、ハイテンションな朗読のかけあいという新ジャンルのアルバムです。

 最後の曲「ジングルベル(パンク・ロックバージョン)」なんてもう「カオス」としか形容のしようがない。

Jingle Bells (feat. Henry Rollins)

Jingle Bells (feat. Henry Rollins)

  • provided courtesy of iTunes

 でも爆音で繰り返し聴きたくなる、謎の中毒性を持つ。

 

 ここまででもうかなりお腹いっぱいなのですが、今年のクリスマスアルバムはまだまだあるので、以下さらっと並べます。

⑤ Aloe Blacc / Christmas Funk

 こちらもなかなにオシャレ。

Christmas Funk

Christmas Funk

 

 

⑥  John Legend / A Legendary Christmas

 ソツない感じでわりと普通。

 

⑦ Monkees / Christmas Party

まだバンドが活動していたことにびっくり。

 

⑧ Los Straitjackets / Complate Christmas Song book

 最近ニック・ロウのツアーに同行していた覆面ギター・インストバンド。ビデオがどうかしてる。

 

最後に再発モノの2枚

⑨ Rosie Thomas / A Very Rosie Christmas! (2012)

 やはりしっとりした女性ボーカルものも聴きたくなります。

 

⑩ K.C. and The Sunshine Band / A Sunshine Christmas (2015) 

 往年のディスコミュージック。

 

 以上長くなりましたが2018年のおすすめ洋楽クリスマスアルバムでした。

 2017年のおすすめはこちら。

tayukura.hatenablog.com

 

新譜の感想 Ry Cooder "The Prodigal Son" (2018)

f:id:mbook999:20180526131825p:plain

 私が個人的にとても思い入れのあるギタリスト、ライ・クーダーのニューアルバムが発売されました。2011年、2012年に立て続けにオリジナルアルバムを出して、2013年には素晴らしいライブアルバムがありましたが、それから早5年。久しぶりの新譜です。

 ブルース、アメリカン・ミュージックの探求者であり、スライド・ギターの名手、オキナワ、キューバー、ハワイアンなどワールドミュージックの伝道者。「パリ、テキサス」や「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」などの映画関連の活動も有名です。ライ・クーダーの音楽的特徴は一言では書き表せませんが、とりあえずニューアルバム1曲目のスタジオライブ動画をリンクします。

  このゾクゾクするようなエレキギターのトーンは、ライ・クーダー唯一無二のものです。

 2曲目は沖縄民謡の雰囲気が漂うオリジナルソング。その他3曲目と10曲目がオリジナルで、あとは1940〜1960年代のトラディショナルソングを取り上げています。楽器のほとんどはライ・クーダーと息子のヨアキム・クーダー(ドラム・パーカッション)が演奏しています。

 4曲目と6曲目はライ・クーダーファンにはお馴染みのブラインド・ウィリー・ジョンソンのゴスペル・ソング。「パリ、テキサス」を思わせる、アコースティックなスライドギターを聴くことが出来ます。

 そして7曲目はファーストアルバムでも取り上げたアルフレッド・リードのナンバーで"you must unload"。同氏作の"How Can a Poor Man Stand Such Times and Live"をライブで演奏する時のような、ゆったりとした感涙のアレンジです。

 

 本アルバムのタイトルは"The Prodigal Son"。訳して「放蕩息子」。聖書の逸話が元になった歌だと思います。

放蕩息子のたとえ話 - Wikipedia

 放蕩の限りを尽くした末に酒場で聴いたスライド・ギターに救いを見出すタイトル曲。

神様が、戦前にプロテスト・ソングを歌っていたウディ・ガスリーを側に呼んで、争いの絶えない今の世を悲観する、オリジナル曲の"Jesus and Woody"など。

 ゴスペル色の強いこのアルバムのメッセージを歌詞から読み解くのは、キリスト教をはじめ宗教的な逸話に全く疎い自分にとっては、ちと難易度が高いのだけれど、近年の米国の政治や文化に対する批判的な暗喩になっているようです。

 

 最後に。今回ライナーノーツの冒頭には"TERRY EVANS 1937 - 2018"の文字が。

 ボビー・キングと共に長年ライ・クーダー・バンドのコーラスワークの一翼を担ってきた、テリー・エヴァンスが亡くなったようです。本作が彼の声を聴ける最後の作品になるのかもしれません。2013年のライブ盤で聴くことが出来る、彼の代表曲と言ってもよい"The Dark End Of The Street"は素晴らしかった。

 Spotifyで聴ける方はぜひぜひどうぞ。歌い出しがテリー・エヴァンスです。

open.spotify.com

The Prodigal Son

The Prodigal Son

 

新譜の感想 Kacey Musgraves "Golden Hour" (2018)

 ケイシー・マスグレイヴスはアメリカのカントリー系シンガーソングライター。日本ではあんまり知られていないかもしれないけれど、ウィキペディアによると既にグラミー賞の受賞歴もあり、アメリカではそこそこメジャーなミュージシャンみたいです。

 初めてこの名前を知ったのは、2年前に出た彼女のクリスマスアルバム"A Very Kacey Christmas"。毎年クリスマスアルバムを聴き漁る癖のある自分のアンテナに、彼女のかわいいカントリー風クリスマスソングがひっかかりました。

 同じカントリー系ミュージシャンで言えば、テイラー・スウィフトとデビュー時期が近くて年はいっこ上。テイラー・スウィフトは、声が子供っぽくてカラッとしたカントリー・ソングを歌うのに対して、ケイシー・マスグレイヴスはかわいい声ながら落ち着いた雰囲気もあります。

 個人的にはテイラー・スウィフトの曲はほとんど聴きませんが、ケイシー・マスグレイヴスはどんぴしゃストライクです。ウィキペディアによるとアリソン・クラウスあたりが音楽的ルーツにあるみたいで、そちらも大好きな自分としてはなるほどの納得です。

Kacey Musgraves - Wikipedia

 そんな彼女ですが、2年ぶりの本作ではメインストリームなポップス要素をぐぐっと前面に出してきた感じがします。J-Waveでも最近かかってます。

 アルバムの他の曲もみんな聴きやすいポップスが並んでます。スチールギターがメインのいわゆるコテコテなカントリー曲はなくなりました。アルバム・ジャケットは黒髪に扇子、ビデオには日本語や中国語の文字も。アジア市場を狙ってる?(笑)

 金髪ブロンドでアイドル路線なテイラー・スウィフトは、カントリーミュージシャンからポップスターに転身して世界的に大成功しました。ケイシー・マスグレイヴスもポップ路線に転向してブレイクくるのかな?

Golden Hour

Golden Hour

 

新譜の感想 Sue Foley "The Ice Queen" (2018)

http://www.ottawalife.com/admin/cms/images/large/3-suefoley_icequeen.jpg

 スー・フォーリーという女性ブルース・ミュージシャン/ギタリストの名前を昔どこで聞いたのか全く覚えていないのだけど、毎日チェックしている洋楽ニューリリース情報で久しぶりにこの名前を見て、何となく引っかかってチェックしてみたら相当に良いアルバムだったので、ここに記しておきたいと思います。

 今回のニューアルバムですが、スー・フォーリーという名前を知らなくても、ゲストミュージシャンの名前を見たら、おっ!と思う(人は思う)のではないでしょうか。

① Come To Me (Feat. Charlie Sexton)

⑤ The Lucky Ones (feat. Jimmie Vaughan)

⑦ Fool's Gold (feat. Billy F Gibbons)

チャーリー・セクストンにジミー・ヴォーン、ZZトップのビリー・ギボンズ

この時点で当たり確定ではないか!!

open.spotify.com

 スー・フォーリーという人のことを少し調べてみようと思ったのだけど、ウィキペディアには10行足らずのキャリア紹介しかなく、米国アマゾンを見ても新作のレビューは2件だけ(今日現在)。さらにネットを検索すると、本作はKickstarterで資金集めしてリリースされたアルバムのようです。

www.kickstarter.com

 少ない情報から妄想すると、

 20代前半でかわいこちゃんブルース・ミュージシャンとしてデビュー。でも鳴かず飛ばずの日々にブルースなんてやめろ!というレコード会社と喧嘩をしてはレーベルを渡り歩く年月。

 それでもトラディショナルなブルースにこだわり続けてついには資金調達手段としてKickstarterを利用して、渾身のブルースアルバムをリリース。

 まあ妄想なので、実際とは違うかもしれませんが、ともあれ今作は間違いなくハイクオリティなブルースアルバムだと思います。

 女性ブルース・ミュージシャン/ギタリストとしては他にボニー・レイットあたりが有名です。近年のボニー・レイットは泥臭いながらも、まだ都会的な雰囲気を醸し出していて、グラミー賞をはじめ名だたるアワードをバシバシ受賞しています。

 対してスー・フォーリーの音楽は、アメリカ南部の場末レストランで流れるのがお似合いな、垢抜けなさをいつまでもキープしているようです。

 最近のコンテンポラリー系ブルース・ミュージシャンのように、ギターが超絶に上手いというわけでもないですが、ブルースとは技術ではなく生き様なのです!そういう意味でもこのブルース一筋のお姉さんは、これからも良いアルバムを出してくれそうな気がします。

www.youtube.com